役に立つ数学

概要

ある現象を解析するために学んだ数学が、思いもよらぬ場面で役に立つ事がある。 そんな一粒で何度もおいしいと思った数学を挙げる。

第1位:Fourier変換

実数関数(物理量の時間履歴or空間分布)が、周波数or波数ごとの成分に分解でき、 複素数関数に変換される。複素数の絶対値は物理量の大きさを、位相は基準時刻、 基準位置からの進み具合を表す。

変数は時間でも空間でも良い。時間の場合としては機械の振動解析にFFTが多用され、 空間の場合は音波や応力波の伝播解析に有用であった。

線形微分方程式を解くこともできる。方程式全体をFourier変換すれば、時間微分演算 がiωの掛け算に置き換わり、簡単な割り算で複素伝達関数Kが求まる。これは入力Xに 対して出力Y=KXとなり、Kの大きさが入力信号の増倍・減衰を、位相が時間進み具合を 表している。

意外な所で繋がったのが、量子論である。Heisenbergの不確定性原理は位置の誤差 Δxと、運動量の誤差Δpを同時に0にすることはできない(ΔxΔp>h/2π)事を 意味しているが、これはFFTにおいて時間誤差ΔT(標本区間)と周波数分解能Δω の間にある不確定性関係(ΔTΔω>1/2)と数学的に等価である。量子論では 運動量が位置座標による微分作用と対応し、位置座標表示の波動関数ψ(x)をFourier変換することで運動量表示ψ(p)が得られる。運動量が小さい=波動関数の波長が長いということであり、よって小さい運動量を正確に測定するためには、より広い範囲の波動関数を知る 必要があるため、空間分解能が下がってしまう。

第2位:Boltzmann因子、Arrhenius型

2014/04/06 作成