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生物模倣。動物の中でも車輪を活用した例はミドリムシくらいしか見当たらないと思っていたが、歩行する足は部分的な車輪とみなせるということか。車輪の一部を扇型に切り取り、往復回転運動させたものが足。
一回転以上してしまうと血管や神経を接続できないので、往復運動の中で車輪機構を実現しようとすると、歩行する足になる。なお、ミドリムシの鞭毛は無限回転できる滑り軸受機構を有している数少ない例である。ミドリムシの場合は非常に小さく軸受部全体を体液に浸すことが出来るため血管を接続しなくても良い。血管を必要とする大型動物には適用できない。
歩行の繰り返し運動は、軸足の回転による倒れ(位置エネルギーから水平方向の推進力への変換)と、もう片方の足による高度の回復の繰り返しであるが、鳥の飛行も滑空(位置エネルギーから水平方向の推進力への変換)と羽ばたきによる高度の回復の繰り返し、という解釈をすることで、両者が同じとみなせるという考察は秀逸。