気圧が地上の4分の1以下になる高度10km以上を飛行する飛行機では、客室内を与圧している。しかし地上と同じ1気圧までではなく、0.8気圧程度になっているようである。台風の中心気圧は、最強の台風ですら900 hPa=0.9気圧であるから、それよりも低い低気圧状態に、国際線だと10時間以上晒される。低気圧が来ると頭痛が起こる気象病の方はさぞ苦しい環境だろう。
では、離着陸時の上昇中、あるいは下降中の高度ではどのように与圧されているのか。下降開始から直ぐに圧力が回復し始めるのかどうか、スマートフォンの気圧測定アプリを使用して測定してみた。機体はボーイング787である。
効果開始前の高度では、0.8気圧程度であった。降下開始の瞬間から圧力は徐々に上昇し、着陸直後でほぼ1気圧に戻った。急な気圧変化により体調不良が起きないように滑らかに気圧変化を制御しているようである。
意外なことに、タキシング中に僅かに圧力が低下した。与圧をOFFにしたのだろうか。そうであれば、これが本来の大気圧だろう。