イプシロンロケットと似た、全段固体ロケットのVegaロケットが前回の2019年7月の失敗のあと、9月に成功していたが、また打ち上げ失敗した。イプシロンロケットと同様、3段の固体ロケットの最上段に、Avum (Attitude and Vernier Upper Module)と呼ばれる、液体燃料スラスタを搭載した軌道修正段を持っている。前回は2段モータの破壊が原因で、今回はAvumの姿勢制御に問題があり、クルクルと回り始めて制御不能となった。
失敗の原因
原因は非常に単純で、AvumのTVC (Thrust vector control)へコマンドを送る信号線が逆刺しになっていたとのこと。TVCは推力の方向を左右に振る仕組みで、車のハンドルに例えると、右に切ったら左に曲がるようになっていた。
信頼性は設計で作り込まれる
ニュースのコメント欄でも指摘されているが、逆刺し出来てしまう設計に問題がある。エアコンの基板ですら、何本もある温度センサケーブルの接続を間違えないよう、全てのコネクタのピン数、形状、色を変えている。
人為的なミスだとESAは説明している。これを修正するための設計変更は軽微であるのは間違いないが、このようなミスを設計から打ち上げまでスルーしてしまう体制に、大丈夫か?と思ってしまう。