中国初の、月サンプルリターンミッションは順調に進んでいる。帰り道の第一歩となる、月面を離脱するロケットは、月周回軌道にて母船とドッキング後、不要となるため分離する。その用済みロケットをわざわざ減速させて、月面に衝突廃棄したという話。
この記事の下に興味深いコメントが付いている。月周回軌道上にデブリを残さないように軌道離脱(deorbit)させるとは素晴らしい行いであり、中国にしては珍しいと思いきや、これはAnti tamper deorbit、すなわち技術の漏洩を防ぐための破壊措置なのだというコメントである。
地球周回軌道ならまだしも、月周回軌道上にあるデブリを取りに行って先端技術を盗もうなんて言う国や団体はいないと思うが、他国の技術や情報を狡猾に利用してきた国としては、自分が世界初の技術を持った時、逆に他国に技術を盗まれないように気を使う、というのは、ロケット以外の分野でもあり得る発想である。