小川仁志 著。ChatGPTなど影も形もない2019年の本。中古本で200円で売られていた。生成系AIが出てくる前の本だから、どれだけ予測を外しているか見ものだ、という気持ちで読み始めた。
コンピュータが持たない、出来ない人間の特徴(曖昧さや感情など)を活用することが、AIが進化した時代では重要、という趣旨。従来は、人間が不得意とする正確無比な作業や記憶が有能さの指標だったが、そういった事はAIが代行できる時代では、逆にその人間の弱さを強みにした発想力が問われる。哲学者らしくメタ思考に基づいた結論なので、今の時代でも陳腐化していないどころか、ますます実感できる。
著者自身も、自信の動画サイトで、この本は古いが陳腐化していないから、AIに関する書籍を新たに書く必要を感じていないと本書を紹介している。