低コスト空中発射ロケット

投稿者: | 2019年12月27日

今年から、小型ロケットの空中発射による小型衛星の打上げを目指して取り組みを開始した。目標コストは1トンあたり1億円、もしくは$1000/kgである。

構想の詳細を記述した論文は、日本航空宇宙学会のオンライン論文集「航空宇宙技術」のVol. 19 (2020), pp. 39-45に掲載される予定である。されている。

この文章を書いている2019年の年末では、SpaceXがFalcon9の1段目の着陸回収を当たり前のように実施し、RocketLabのElectronの事業も軌道に乗り、こちらも1段目のパラシュート回収を目指している。中国でも10を超えるロケットベンチャー企業がしのぎを削って低コストな衛星打ち上げ手段を開発している。

日本ではイプシロンロケットが4連続成功し、スペースワンが串本町にロケット発射場の建設を起工するなど、低コストロケットの実現に向けた動きがある。法律面では、宇宙2法が今年10月に施行され、民間組織が人工衛星打上げ用ロケットの打上げを行うためのガイドラインが作られた。

私は10年前に、超小型衛星を、冒頭に記載した価格で打上げ可能な空中発射ロケットを今後のロケットのあるべき姿としてイメージした。当時はその実現方法が全く分からなかったが、その後に習得した技術や、現在のこのような状況を踏まえ、ある程度道筋が見えたため、活動を再開した。