Virgin Orbit plans orbital launch in early 2020 – SpaceNews.com After falling short of plans to begin launches in 2019, Virgin Orbit now expects to perform its first orbita . . .
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ついに2020年が到来。今年の早いうちに、Virgin Orbitの初飛行が計画されているとのニュース。昨年の7月に、燃料の代わりに水を充填したロケットを母機から発射する実験に成功しており、あと一歩のところまで来ている。
Virgin Orbitは、LauncherOneと呼ばれるロケットを、Cosmic Girlと名付けられた飛行機の翼下に懸架し、空中発射する衛星打ち上げサービスである。同様に航空機から落下させて打ち上げるPegasusロケットは、発射数が想定より伸びず打上げ単価が上昇してしまい、ビジネスとしてはあまりうまくいっていない。これらの二つの空中発射ロケットシステムの違いをざっと挙げると、以下の3つがある。
- Pegasusは固体3段式、LauncherOneは液体2段式
- Pegasusは中央部にデルタ翼を備えているが、LauncherOneは尾翼のみ
- Pegasusは水平発射で、Virgin Orbitでは 30度くらいの上下角を持って分離される。(Virgin Orbit service guide)
1つ目の意味するところは、Pegasusの3段目の役割を、LauncherOneでは2段目の再着火により行うということだろう。ロケットは大気圏を抜けたあと無動力で慣性飛行し(コースティングという)、近地点高度近くまで上昇したところで水平加速して宇宙速度を獲得する、というのが通常の流れである。固体ロケットはコースティングのための燃焼停止と再着火ができないため、3段目という別の段にせざるを得ないが、液体の場合は再着火することで段数を減らすことができる。
2つ目と3つ目は関連していて、Pegasusは上の図に示すように水平発射後、デルタ翼の揚力を使って飛行経路を引き起こしていくが、Virgin Orbitではその代わりに点火時から機首と飛行経路が上下角を持っている。もちろん後者の方がロケットの負担は小さいが、航空機の操縦と分離タイミングの調整に難しさがあると思われる。
更に、Pegasusの飛行経路の再現シミュレーションにより定量的に分析すると分かるが、デルタ翼はそれ自体の質量が1段目のΔVを減らすばかりか、その空気抵抗が大きな速度損失を生むため、デメリットが大きい。Pegasusはそれを承知で、ロケット分離時の航空機の安定性を優先したということだろう。