韓国の国産ロケット成功

投稿者: | 2022年6月30日

KSLV-2と呼ばれていたロケットが2回目の発射で打ち上げ成功。日本人としては斜に構えたコメントを出したくなるのだろうけれども、ここは素直に偉業を称えたい。横置きで組み立て発射台で起立させる方式であるとか、ロシア由来の技術が見え隠れするため、パクリ技術と揶揄する人もいる。しかし、複雑な精密機械の開発をやってみれば分かると思うが、設計を真似れば簡単にできるというものでもない。日本の液体ロケットだって、最初はアメリカのΔロケットのパクリからスタートしているが、設計を流用しながら国産化するだけでも大変な努力と失敗が必要だった。

ロケットの基本設計は飛行機ほど難しくないが、安全マージンが少ない。部品を高精度に加工し、傷つけずに組み立て、全てのパーツが正常に作動するように故障を未然に見つけるのが難しい。実際、この打上の数日前に、推進剤タンクのレベルセンサが異常値を示して打ち上げを延期した。段間を分離しないと簡単に交換できない構造になっていたのは設計として問題があるにせよ、その異常を打ち上げ前に検知し、センサのコア部品のみを交換する方法をその場で考案し、段間分離せずに修理した。ひと月以上かかると言われていたのに数日後に発射予定と聞いたときは、本当に安全性を確認したのか疑わしかったが、結果論だが英断であった。

少なくとも現場の技術者たちは相当な緊張の中で考え、決断したと想像できる。日本は半世紀以上前にやったとか、今から世界7番目を取ってどうするとか言われているが、ちょっと日本人として恥ずかしいと感じた。